塩はほとんど全ての食品に含まれています。うどんも例外 ではなく、というより、うどんの原材料は、小麦粉、塩、水しかないので、塩の役割はことさら重要です。一般に 塩の効用といえば、食味の改善とか保存期間の延長なんかが思いつきますが、うどんにとっては、それ以外に様々な役割があるので、簡単に整理してみました。
(1)グルテンを引き締める
さぬきうどんといえば、多くの人はコシを連想しますが、このコシの基になるのがグルテンです。小麦粉には10%前後のたんぱく質が含まれていて、これが水と一緒になることによって、小麦粉特有のチューインガムのようなグルテンが生まれます。生地を足踏みすることによって、このグルテンが縦横無尽に網の目状に広がり、生地を支えます。そして、塩にはこのグルテンを強く引き締める性質があります。△つまり気温の高い夏は、生地がだれやすくなるので、塩を多くし、逆に冬場は生地が硬くなるので、延びやすいように塩を減らします。土三寒六常五杯という口伝は、お茶碗一杯の塩を夏場は三杯、冬は六杯、そして春秋は五杯の水で割りなさいということです。
(2)酵素の活性を抑制する
小麦粉には色んな酵素が含まれていて、でんぷん質やタンパク質を分解します。一般にはこの酵素の働きによって、「うどんのうま味」が増すと言われていますが、その詳しい仕組みはまだよくわかっていません。塩には、この酵素の働きを遅らせる効果があるので、塩を多く入れたら熟成時間もそれに応じて長くした方がよいということになります。
(3)ゆで時間の短縮化
うどんがゆであがるということは、お湯がうどんの中に入り込み、でんぷん質が糊化してうどんが膨れるということです。だから多くの塩を含んでいれば、それだけ早く塩がお湯の中に溶け出し、お湯と置換するので、早くゆであがることになります。
(4)食味の向上
なぜか仕組みはよくわかりませんが、人間にとってはほんの少し、しょっぱい方が美味しく感じます。
(5)保存期間の増大
水分活性が小さくなるので、それだけ雑菌が繁殖しにくく、保存性が向上します。塩漬けとか佃煮なんかは保存食としての代表例です。
(6)乾燥の防止
乾麺は、生うどんに含まれている水分を14%程度にまで乾燥することによってできます。塩には乾燥を抑える効果があるので、急激な乾燥を防ぎ、乾麺の乾燥をやりやすくします。というのは、急激に乾燥すると、表面は乾いても中心部分は生のままなので、この水分較差によって生地がねじれ、割れる原因となります。実際、水だけで生地を練り、うどんにして乾燥するとあっという間に表面だけが乾いてしまい、うどんが反り返りうまく乾燥できません。逆に、塩を多くし過ぎると、今度はなかなか乾かないので、これもよくありません。乾麺の製造には適度な塩が必要だということになります。△このように塩はうどんにとって様々な働きがあり、うどんとは切っても切れない関係にあります。蛇足ながら、うどんには塩分が多く含まれているので身体によくないのでは?」といった質問をよく受けます。うどんに塩が含まれているのは事実ですが、ゆでることによって90%以上の塩分は溶出するので心配することはありません。ただゆで湯が少ないとなかなか塩がでてこないので、このときはうどんがしょっぱくなります。よって、うどんはできるだけたくさんのお湯でゆでましょう(100g当たり1㍑以上)。またおつゆには塩が含まれているので、塩分を控えている方は、丼の底が見えるまでおつゆを飲まないようにしましょう。
封とうの中には商品のカタログと注文のハガキが入っていただけでした。うどんやさんは何時に起きるのか、答えがわかりません。早いのでしょうね。
東京都小金井市・矢口勝通様
「全粒粉のうどん」というのはどうでしょうか?全粒粉のパンが私は好きなのですが、うどんでは見たことがなくてあるといいなと思います。
静岡県静岡市・久保田朋子様
とにかく好きなんです、あののど越しが。リクツなんてありません。それから「よんでみまい」も楽しい。
兵庫県川辺郡・生島嘉章様
うどんは別腹・・・とか言われている讃岐人は、太っている人が少ないのでしょうか?(つまり、いくら食べても太りにくい体質の人が多いのでしょうか?)県民別の性格や体質などなどこのごろトリビア!?であります。
神奈川県横浜市・木暮誠一様
兵庫県神戸市・大島邦夫様
東京都江戸川区・清水時子様
大阪府大東市・谷田幸子様
北海道上川郡・澤田拓也様
よく健康番組(TV)でバランスのよい食事を・・・と言っていますが、小生は、ほしいものをほしいだけ食べるのが、一番の食事と思っています。よって、近所のうどん屋さんへ行っても、ザル×2とかザルときつね等と注文しています。おいしいものを楽しく食べるのが一番と思っております。よって注文いたします。よろしく。
岡山県小田郡・槙原文男様
静岡県島田市・菊池真敏様
東京都府中市・伊藤京子様
滋賀県草津市・清水暁雄様
東京都世田谷区・生井ふみ様
神奈川県川崎市・細内良雄様
広島県広島市・中西文郎様
神奈川県横浜市・野中喜代江様
大阪府大阪市・大石重雄様
愛知県名古屋市・木村さゆり様
神奈川県川崎市・笹本純子様
宮崎県宮崎市・宮田和幸様
茨城県日立市・和田末男様
岡山県新見市・大橋作彌様
兵庫県川西市・渡部雅典様
茨城県かすみがうら市・山崎巖様
愛知県刈谷市・蛭間淳之様
群馬県館林市・岡本隆雄様
兵庫県西宮市・宗野光政様
スパゲッティのように表面に大きく表示できませんか?
今年の社内旅行は「四万十川と足摺岬」の旅行。四万十川でのカヌー体験、屋形船での風流な昼食。そして最果ての足摺岬へ…天候にも恵まれ、澄んだ空気と清流のなかで自然を満喫。四国に居ながら意外と体験のない行程で一同大満足。和気あいあいの楽しい旅でした。(8月24~25日)
編集後記:さすらいのうどん職人
♪ジャリーン♪突然、次のようなメールが入ってきた。
→【はじめまして京都府綾部市出身の竹原友徳と申します。私は大学卒業後に香川にて三年間うどん修業し、その後全国でうどん作りをしてみたいと思い、昨年九月北海道に渡り南下しながら、うどん全国武者修行の旅をしています。今は淡路島まで来ていて今後四国を巡る予定にしています。・・・】で、何の話かと思ったら、「製粉工場を見学したい」というので、「いらっしゃ~い」ということになった。それにしても素直に「すごいなぁ!」と思わずにはいられません。
毎日、行く先々でうどんを打ちながら、ジプシー生活をする。それも一ヶ月、二ヶ月ではなく、2006年9月にスタートした武者修行の旅は、もう1年以上も続いている(信じられんね!)。うどん打ちってそんなにおもしろくて奥が深いのか?ちなみに彼のミッションは、「全国各地の人にうどんのおいしさを知ってもらうため、そして自分のうどんの技術を磨くため」と彼にもらったプロフィールに書いてある。
実際、彼の行動は尋常ではない。右の画像をみてください。ここは、物置ではありません。そう、これは彼の足となっている箱バンの中である。タライ、鍋、打ち台、麺棒、醤油、小麦粉などありとあらゆるものが積み込まれている。彼曰く、「水さえご用意いただければ、どこででもうどんを打ちます!」。失礼とは思いながら、彼に根掘り葉掘り聞いてみた。
私:「どうして製粉工場なんか見学しようと思ったんですか?」
さすらいのうどん職人(以下、さ):「そりゃ、うどん打ちにとって、基本は原料の小麦粉なので、どんな風にして小麦粉ができるのかを理解することは重要です」
私:「なるほど(スキのない答やなぁ)。ところで失礼やけど、道中の生活費なんか、どうしてるんですか?」
さ:「自分で打ったうどんの販売、うどん打ちの出前出張サービスなどで捻出しています」
私:「それで、やっていけるんですか?」
さ:「充分です」
私:「ふ~ん、すごいなあ。それで、どんなところに泊まるんですか?野宿するっていっても、この荷物では車の中は、足の踏み場もないし」
さ:「行く先々で、知り合いのところに泊めてもらったり、なんとかやってます」
私:「すごいなぁ(という言葉しかでてこない)」
今後の予定としては、来年の秋までには日本一周の武者修行を終え、その後故郷の京都でうどん店を開業するらしい。ボーイズ・ビー・アンビシャス!おじさんには、そんな気力、行動力はないけれど、「若いうちの苦労は買うてでもせえ」というので、きみはどうか頑張って日本一のうどん打ちになっておくれ(がはは)。どうかこの先も、元気で旅を続けてね。
けいぞう